氷のようにつめたく、恐ろしいほど冷静なレイ・メリーメン(パブロ・シュレイバー)に率いられた集団は、平凡な銀行強盗団ではない。軍人のように正確に動き、緻密な計画を立て、熟練した人材を雇い入れる。全員、特殊部隊に従軍したことのある、刑務所で刑期を務めたばかりのやり手揃いだ。メンバーには、訓練を積んだ家族もちのエンソン・ルヴォー(カーティス・“50セント”・ジャクソン)とベテランで天才的な泥棒ボスコ・オストロマン(エヴァン・ジョーンズ)。前科はあるがどうも不釣合いな感じが否めないバーテンダーのドニー・ウィルソン(オシェア・ジャクソン・Jr.)が運転手として参加していた。
だが計画を成功させるには、型破りな捜査をするロサンゼルス郡保安局の重犯罪特捜班の裏をかかなくてはならない。特捜班はリーダー、ニック・オブライエン(バトラー)に率いられている。オブライエンは、大酒のみの刑事で道徳基準などまったく無視するような男。彼の選択と優先事項が家族の人生を崩壊させてしまう。だがオブライエンは、メリーメンの犯罪を止めるためなら手段を選ばない。そんなオブライエンの手下は、強者揃いのアウトロー刑事らがサポートしていた。
ある日、現金輸送車を乗っ取る計画が最悪の銃撃戦となる。警備員・警官数名が殺されたために、メリーメンたちはFBIの第一ターゲットにされる。そんな中メリーメンらは、究極の強盗計画に照準を合わせていた。米国通貨として不適当な3000万ドルがシュレッダーにかけられる前に、連邦準備銀行のロサンゼルス支店を襲い、強奪する計画だ。ニックらは、メリーメンたちを一連の未解決強盗事件と結びつけ、彼らの次の動きを待っていたFBIとの追いつ、追われつのゲームに否応なく引き込まれていき、対立はエスカレート。ロサンゼルスの町は巨大なチェス盤と化す。そして、ドラマは予想しない結末へと進展していく―。